第178章

町全体が突如として煌々と照らし出され、まるで白昼のような明るさに包まれた。夜空に鳴り響く警報の音が、人々の不安を否応なく掻き立てる。

野呂栞は険しい表情を浮かべた。

「誰かが警報器を作動させたね」

「警報の音は資料室の方から聞こえる」白井小鳥が言った。「誰かが資料室に侵入したんだ」

島宮奈々未にとって、誰が資料室に侵入したかなどどうでもよかった。彼女の心を占めているのは、夏目太郎がどこにいるのか、ただそれだけだった。

町の住人のほとんどが外へ飛び出し、こちらへと押し寄せてくる。数人が担架を運んでおり、そこには一人の子供が乗せられていた。八歳くらいの男の子で、全身がずぶ濡れだった。

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